電車に乗っていて、あるいは町中を歩いていてよく目にする美容整形の広告。
女性のみならず男性を対象としても、見た目を変えようと働きかける広告をいたるところで見かけます。
美容整形はもちろん、脱毛や髪の増毛、探せばキリがない化粧品の数々……
人間以外にも社会性を持つ生物はアリやミツバチ、象なども含め数多くいますが、その社会における自己の存在価値を「見た目」に置く生き物は私たち人間だけといってよいのではないでしょうか。
人間は自分自身の良い見た目のためにあくなき探求を続け、お金や時間を惜しむことなく費やしてきました。
こうした欲求はいわば三大欲求に近いものだと言えます。
食欲、睡眠欲、性欲、金銭欲、そして見た目に対する欲求は、資本主義社会に生きる私たちにとって世の中の経済活動ともはや切っては切り離せないテーマとなっています。
一方、生まれてこのかた資本主義社会でしか生きてきたことのない私たちにとって、かの国の様相は大きく違うようです。
日本にとって最も近くて遠い国の北朝鮮では、先ほど述べた欲求のうち、どれ一つとっても満足のいくものを手に入れられている庶民はきっといないでしょう。
もはや北朝鮮では共産主義社会の特徴の一つであるプロレタリア独裁をも否定し、金一族の支配を正当化する主体思想のもと、単なる金正恩の独裁体制が敷かれているわけですが、彼の国では市民の髪型にも一定の制限をかけ、床屋に行っても数種類からしか選べず、アメリカ文化の象徴であるジーンズの着用も公には許されていません。
近頃のニュースでウクライナ戦線への北朝鮮軍人の派兵が報じられていましたが、スマホでアダルトビデオを熱心に視聴する様子もリークされていました。
電力需要に対して貧弱な発電能力しか持たない北朝鮮では平壌の一部以外真っ暗で、国際宇宙ステーションからもその地域だけまるで夜には海の一部になったかのように人間の活動が見えなくなるのです。
イカ釣り漁船が出航している日本海のほうが明るいほどです。
北朝鮮に住む市民が、今のくらしに満足しているかといえば決してそうではないでしょう。
しかし、基本的にあらゆる欲求を満たすことのできる日本において、追求すればするほど新たなる欲が生まれてしまう状況も、満足感を得られる環境とは言えないのではないでしょうか。
この欲への執着心を利用した広告というのが資本主義社会を彩っていると言えるのです。
新しい化粧品が毎月届くサブスクや、前金で支払う脱毛サロン、百種類以上のプチ整形を用意している美容整形外科……
ありのままの自分をいつか肯定してあげることができなければ一生涯、他者の評価の中に生きることだけでしか、人生の楽しみを見出せないようになってしまいます。
「自分のことをこの世の誰とも比べてはいけない。 それは自分自身を侮辱することになる。」
これはマイクロソフトの創業者で10兆円以上もの資産を持つビル・ゲイツの言葉です。
彼がなぜIT業界のパイオニアとして成功し、巨大な企業を作り上げることができたのか、この言葉からもヒントを見出すことができるかもしれません。
世の中の偉人と呼ばれる人や、大企業の創業者などの多くは、周囲の反対を押しのけながらも自分の考えをしっかり持ち、強い意志で行動しつづけることができたからこそ成功したといえます。
成功するためには、他人と比べることなく、自分を肯定する力が必要不可欠です。
これは美容整形や育毛をして世の中に認められようとする人にも意識してほしい言葉です。
私は決して美容整形を否定しませんが、やるからには明確な目的とその後の自分を肯定して挙げるプロセスがとても大切だと思います。
成功者にも整形をした人は数多くいます。
「第一印象を良くして人間関係を良好なものにしたい」、「見た目に気をつかう人間だと認識されることで信用を得たい」など。
一流のビジネスマンがセダンの高級車や高級時計を付けるのと同じで、判断材料が無い第三者は見た目で人を信用するかどうかを決定します。
欲を満たすために何かするより、何か目標に向かって一歩近づくための手段として行動する、ということを意識し続けることで、自然と自分の有り様を見つめ直すことに繋がっていきます。
「お金を稼ぎたい!」、「裕福な暮らしをしたい!」
と思うのは皆同じです。
そのためにスキルを身につけその目標に近づくために自己投資をしていくわけですが、スキルを身につけただけで満足してしまう人が結構多いのも事実です。
そうではなく、身につけたスキルをどう生かしたいのかまで考えて自己投資するべきです。
生成AIを活用するスキルを学んで何をしたいのか、どんな副業やビジネスに関心があるのかなどを想定しておくと、スキルを身につけた後にその想定も変化するかもしれないですし、変化が分かるからこそ次に生かすことができるのです。
目標に近づくためには、常に自分がどうすればよいのかを考え、何のためにお金を費やすのかを明確にしてみる作業をしてみましょう。
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