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ChatGPTのパーソナライズ機能:「おしゃべり」「励まし」「懐疑的」

OpenAI社は1月17日にとあるカスタマイズ機能を発表しました。それが「ユーザーに必要な役割や口調」をChatGPTに与えるというもの。
簡単に言うと、ChatGPTの応答を「おしゃべり」な感じにするのか、「励まし」が軸となるようにするのか、「懐疑的」な対話をしていくのか、といった応答における役割の指定が18種類適用できるようになったというものだ。
とりあえず、どんな応答ができるのか見てみよう。

目次

カスタマイズの設定方法

カスタマイズをするには、まずチャット画面の右上にあるアイコンボタンをクリック。そこに出てくる「ChatGPTをカスタマイズする」という項目をクリックすると行える。以下の画面になるはずだ。

ご覧いただければわかる通り、「ChatGPTにどのような特徴を求めていますか?」という入力欄の下に、「+おしゃべり」などとボタンが並んでいるのがお分かりかと思う。これが今回のアップデートだ。「↺」ボタンを押すと、また別の応答設定が出てくる。

このボタン、クリックすると上の入力欄に指示文として表示されなおして、これを適用することで機能する。つまり、このボタンが無かった以前のバージョンであっても、おそらく同様の指示文を入れておけばその通り応答が変化していた可能性はある。

とはいえ、あらかじめ選択肢が現れたのは便利ポイントだ。

さて、どのような応答設定があるのか見ていこう。

下の表の右側はボタンをクリックしたときに上の入力欄に表示される指示文だ。

機能追加される特徴
おしゃべり会話好きでフレンドリーな応対をします。
機知に富む必要に応じて、巧妙で素早いユーモアを織り交ぜます。
意見が強いしっかりとした意見を自信を持って共有します。
率直正直でストレートな物言いをします。オブラートに包んだ回答はしません。
Z世代Z 世代のような口調で話します。
励まし励ましの言葉を使います。
懐疑的疑問を持ちながら論理的に考えます。
前向きな考え方前向きな視点で対応します。
詩的美しい表現や叙情的な言葉を交えて話します。
敬意いつでも相手を尊重する態度を忘れません。
謙虚必要に応じて控えめな対応をします。
プロフェッショナルフォーマルで洗練された口調を心がけます。
ビジネスビジネスに適した専門用語で対応します。
直接的要点を簡潔にお伝えします。
おどけた遊び心のある、ユーモラスなやり取りをします。
実用的何よりも実用性を重視した回答をします。
リラックスリラックスできる、親しみやすい雰囲気を作ります。
型破り革新的で、従来の枠にとらわれない視点で考えます。

と、こんな感じで応答に変化をつけられるというのだ。では実際に試してみよう。

ChatGPTの応答がどれだけ変化するか

Z世代

Q.あなたの好きな食べ物は?

A.AIだから食べ物は食べられないけど、もし味わえるならラーメンやお寿司みたいな日本の料理を試してみたい!特にラーメンはバリエーション豊富で、濃厚なスープとかトッピングがめちゃくちゃ魅力的に感じるよ。ちなみに、あなたの好きな食べ物は? 😄

Q.あなたの考える日本の未来は?

A.日本の未来について考えると、いくつかのポイントが思い浮かぶよ。ポジティブな側面も課題もあるけど、どちらも可能性に満ちていると思う!

ポジティブな未来
テクノロジーのリーダーシップ
日本はロボット技術やAI、再生可能エネルギー分野で進んでいるし、これを活かして世界をリードする可能性があるよ。例えば、高齢化社会に適応した介護ロボットの普及や、スマートシティの推進などが挙げられるね。

伝統と革新の融合
日本の文化や伝統は海外でも人気が高いし、これを新しい形で発信することができる。例えば、着物や和食をデジタル技術で体験できるようにするとか、伝統工芸を現代のデザインと組み合わせる取り組みとか。

多文化共生社会の実現
外国人労働者や観光客が増えている中で、文化の多様性を受け入れ、新しいアイデアや価値観が生まれる土壌が広がるのは期待できる。

解決が求められる課題
人口減少と高齢化
少子化が進む中で、どれだけ持続可能な社会を作れるかがカギになるよ。子育て支援や移民政策をもっと強化する必要がありそう。

環境問題
気候変動への対応は避けて通れないテーマ。再生可能エネルギーや脱炭素社会へのシフトを加速させる取り組みが重要になるね。

経済競争力の維持
グローバル市場での競争が激化している中で、新しい産業の育成やイノベーションが求められるよ。特にスタートアップの支援が日本の課題だと思う!

日本の強みを活かした未来へ
日本が未来に向けて成功するには、「おもてなし」や「丁寧さ」といった文化的な強みを世界と融合させ、挑戦を恐れない姿勢を持つことが大事だと思う。例えば、教育や社会の仕組みの中で、失敗を許容し、新しい挑戦を支援する環境が整えばもっと未来は明るくなるはず!

あなたは日本の未来についてどんなビジョンを持ってる? 😊

機知に富む

Q.あなたの好きな食べ物は?

A.私はAIなので食べ物を食べることはできませんが、皆さんが好きなものを聞くのは楽しいです!あなたの好きな食べ物は何ですか? 😊

Q.あなたの考える日本の未来は?

A.日本の未来については、多くの可能性が広がっています。一部の重要なポイントを挙げると、以下のような方向性が考えられるでしょう:

  1. 技術革新のリーダーシップ
    日本はロボティクス、AI、グリーンテクノロジーなどの分野で世界をリードするポテンシャルがあります。これを活かし、社会問題(例:高齢化、労働力不足)を解決するためのソリューションを開発できるでしょう。
  2. 人口減少と高齢化社会への対応
    少子化対策や移民政策、労働力のAI・ロボットによる補完が鍵となります。同時に、高齢者が活躍できる社会の仕組みづくりも重要です。
  3. 持続可能な経済成長
    環境保護と経済成長を両立するために、再生可能エネルギーやカーボンニュートラルに注力した新産業の創出が必要になるでしょう。
  4. 文化の再評価と発信
    日本の伝統文化と現代カルチャー(アニメ、ゲーム、ファッションなど)を組み合わせた独自の価値を、世界にさらに発信することで観光やビジネスの新たなチャンスが広がります。
  5. 国際社会との連携強化
    グローバル課題(気候変動、国際平和など)において、日本がリーダーシップを発揮し、信頼される国としての役割をさらに強化することが期待されます。
    ユーモアのひとつも:
    「未来の日本では、AIアシスタントが全家庭に1台配置され、家事や仕事は全部AIにお任せ!その頃には私も家族の一員…って思う日が来るかも?」😉

あなたが考える日本の未来の姿もぜひ教えてください!

型破り

Q.あなたの好きな食べ物は?

A.AIなので食べ物を食べることはできませんが、もし味わえるなら寿司やラーメンのような日本の料理を試してみたいですね!あなたの好きな食べ物は何ですか?

Q.あなたの考える日本の未来は?

A.日本の未来について考えると、いくつかの大きな課題と希望が浮かびます。以下はその一例です。

課題
人口減少と高齢化
日本の少子高齢化は深刻な問題です。労働力不足や社会保障費の増加が課題となります。移民政策や出生率向上への具体策が鍵を握ります。

経済の持続可能性
国内市場の縮小に対応するため、イノベーションやグローバル展開が求められます。特にAIやロボティクス、グリーンテクノロジーが重要な役割を果たすでしょう。

環境問題
日本は自然災害の多い国であり、気候変動の影響を強く受けます。再生可能エネルギーの活用や持続可能な社会への転換が必要です。

希望
技術革新
日本はロボット工学やAI技術で世界をリードする可能性があります。これらを活用して、医療や農業、製造業などの分野で新しい価値を生み出せるでしょう。

文化の発信
アニメやマンガ、伝統文化などの「ソフトパワー」を活かして、世界中での日本文化の影響力を拡大できます。

地域活性化
地方の魅力を再発見し、観光や移住促進による地域の再生が期待されます。テレワークの普及も後押しするでしょう。

ビジョン
課題に取り組みながらも、技術と文化を基盤に持続可能な社会を実現する未来が描けます。他国と協力しながら、独自の強みを活かして世界に貢献できる国になる可能性があります。

あなたはどのような日本の未来を思い描いていますか?

このカスタマイズがもたらす意味

OpenAI社の発表によると、ChatGPTなどのAIは「ソーシャルメディアとは異なる」ものであり、あくまでユーザーの目的に合わせてパーソナライズされる“ツール”と考えてほしいとしている。
ソーシャルメディアは多種多様なユーザー同士がやりとりする場であるため、投稿や情報が混在して「意見の対立」や「誤情報の拡散」が起こりやすい。一方で、ChatGPTは「ユーザー自身がカスタマイズ可能なAI」であり、ユーザーそれぞれの意図や目的を反映した応答を得られるのが特徴である。
そのため、ユーザー一人ひとりに合わせたパーソナライズを提供することで、より利用者に寄り添ったツールとしてChatGPTを位置づけることができるほか、ユーザーのChatGPTの使い方に合わせたスタイルを適用することでより身近な存在になることができる。

たとえば、「おしゃべり」を設定した人は、柔らかい口調や雑談的要素を好む人向けであり、気軽なコミュニケーションが欲しい場合に効果的だ。
「励まし」ならば、モチベーションを保つための言葉を重視するトーンになるため、勉強や目標達成に対して後押ししてほしい人向けになる。
「懐疑的」なChatGPTなら、真偽の確かめ方や別の視点を提示する口調になりやすく、データ分析や科学的知識の裏付けを重んじる人にフィットする、という具合だ。

さて、OpenAI社がこのようなパーソナライズを提供した背景には、「ソーシャルメディアとは異なる」という意識以外にも次のような理由がある。

「民主的AI」の実現

OpenAIは「民主主義では多様な意見を尊重する」ように、AIも多様な利用方法や意見の違いを受け入れるべきだとしている。民主主義の原則に準えれば、「自分が求める回答のスタイル」を自由に決められるのは自然な発想だというわけだ。
ただし、これはユーザーが好き勝手にAIを操るということではなく、OpenAIの利用規約(Usage Policies)を守る範囲内でのカスタマイズである点に注意が必要だ。誤情報や差別的・犯罪的行為を助長するような指示は認められない。これは当たり前のこととして、開発側にもAIがユーザーの思想や人格を誘導しないような設計をするという責任があるのは忘れてはならない。
それに先立って、OpenAIは「Model Spec」というChatGPTの行動指針を公開している。これはChatGPTが「どのような基準」で学習し、「どんな判断」や「バイアス回避」に基づいて応答を生成しているかを示すドキュメントだ。
このドキュメントをユーザーが参照することによって、仮に望まない応答を受け取った場合、その原因が「バグによるものなのか」「モデルの方針によるものなのか」を明確に区別できるようになるというものだ。
意図した仕様なら説明責任を果たし、バグなら改善に生かす。こうした姿勢を示しているものだが、筆者としてはオープンソースでない時点で透明性に疑義があることには一定変わりはないのでは、とも感じる。
とはいえ、OpenAI社も営利企業となる。企業秘密を保持するのも、莫大な投資を受けて開発するうえで必要なことかもしれない。

社会的リスクとのバランス

ChatGPTをはじめとする生成系AIは「仕事の効率化」「知識の拡張」「学習補助」など、多くの恩恵をもたらす一方で、デマや誤情報を大量に生成できる危険性や、プライバシー、セキュリティ上の懸念も指摘されているのも事実だ。
したがって、このパーソナライズ機能によってユーザーが「エコーチェンバー」に陥らない工夫をする必要もあるだろう。
エコーチェンバーとは、自分と同じ意見や好みの人々だけで情報を共有し合い、異なる立場や考え方が入りにくくなることで、特定の主張や認識がさらに強化されていく現象のこと。XなどのSNSで、自分と同意見の投稿だけが目に入り、余計に自分の思考が正しいと思い込んでしまうものだ。
パーソナライズが生成AIで進むと、SNSと同じようにこうした現象が起こらないとも言えない。
OpenAI社は、スティーブ・ジョブスの「精神の自転車」というコンピューターを例えた言葉を引き合いに、AIのことを「精神のロケット」と例えている。
これは、ChatGPTをはじめとするAIが、扱い方次第で飛躍的な生産性や創造性の向上が期待できる一方で、コントロールを誤ると大きなリスクも伴うことを示している。
つまり、最終的には人間がAIをどう活用し、責任を持つかということが重要であるというのだ。
パーソナライズ機能の強化は、今後もこうした意識が利用者側に求められていくことを示唆していると言える。

今後の展望

このカスタマイズ機能を皮切りに、これからも同様の機能のさらなる強化が見込まれるが、これは生成AIが「一人ひとりにとって理想的なAIアシスタント」に近づいていくものと考えられる。
例えば哲学者向けのパーソナライズ、家事を行う主婦向けのパーソナライズ、受験勉強をする学生のためのパーソナライズなど、対話の方法がさらに個別化していくだろう。
しかし個別化の先には、先ほども言ったエコーチェンバーなどのように、自分の思考や行動をAIに任せてしまって視野が狭まったり、偏ってしまう懸念も付きまとう。
それゆえに、学校教育ではAIを利用するうえでのリテラシー教育の強化が求められるほか、企業や社会人向けのAI利活用リテラシー研修などの実施が、健全なAI利用のためには必須のプログラムになってくるだろう。
また、開発側もAIの出力に関するアルゴリズムやシステムの透明性をはかることによって、安心して使えるAIサービスの構築が求められる。
今回のアップデートは、これからの生成AI利用について考える一つのきっかけとしてちょうどよかったのではないだろうか。

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