動画生成AIプラットフォームのPikaに新しい機能がでました。これまでの動画生成AIとは一味違うPikadditionsという機能について紹介します。
そもそもPikaはこの機能をリリースするにあたって、これまでのPika2.0というモデルが最新だったのを、Pika2.1モデルをリリースし、高解像度の動画を生成できるようにしていました。
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Pika2.1とは
Pika2.1は1080pの高解像度映像で精細なディテールと豊かな質感を備えた動画生成AIモデルの最新バージョンです。
前モデルのPika2.0も高画質の動画を生成できていましたが、Pika2.1ではクレーンカメラを使って撮影したようなカメラアングルのクレーンショットや、ターゲットを中心として回転するような動きをつけるオービットという撮影アングルなども活用することができ、いわゆる動的な映像を作りやすくなったとのことです。
そのため、Pika2.1では映画のような映像を作るのにより適していると言え、クリエイター向けにより表現力の高い映像作品の制作環境を提供できていると言えます。
そのため、生成AI動画を活用したCMの作成など、企業においても活用できる幅がPika2.1によって広がったのではないかと思います。
ここで少しPika2.1で作成された動画を少し見てみましょう。
鳥の羽毛の質感がとてもリアルですよね。
細部にわたるまで動物の質感が再現されていて、その動きにも違和感がありません。まるで高解像度カメラで撮影したかのような映像が表現できているといえます。素人目に見てみると、本物なのか偽物なのかあまり区別がつきにくいところまで行ってる感じがありますよね。
そのほか、Pika2.1にはPikascenes機能というのがあり、Pika2.1に搭載されているシーン構築専用の機能で、ユーザーが自分のイメージするシーンを自由にデザイン・生成できるツールです。ユーザーは、テキストプロンプトやビジュアル素材を元に、複数の要素を自由に組み合わせ、理想のシーンを構築できます。たとえば、背景、登場キャラクター、オブジェクトなどを直感的に配置できるため、映画的なシーンや幻想的な設定を簡単に再現することができるのです。しかも、AIが各要素のライティングや影、遠近感などを解析してバランスが取れるように仕上げてくれるので、違和感のない映像表現を実現することが可能です。すべてをAIにやらせるのではなく、適度に人間が介入することで、より映像のクオリティを上げるという文武両道のようなツールに仕上がっています。有料ユーザーが使うことができます。
さて、話は戻りますが、これが前モデルのPika2.0の映像です。
リアルめに作られた映像ですが、上着の毛の質感が少しアニメ・CGっぽい感じが否めません。細かい部分の表現に少し甘さがあるような感じがします。
ちなみにPikaにはPika1.5やPika Turboといったモデルも存在します。
単純に過去のモデルかというと、それぞれに特徴があるのでうまく使い分けしていければというところです。
例えばPika1.5ではPikaEffects機能というのが使え、物体が溶解したり膨張したり、ケーキ化したりと様々な遊び心のあるエフェクトを適用させることができます。
リアルさを追求するというより芸術性を意識した映像作品の制作に向いているモデルです。
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一方、Pika Turbohは生成スピードが早く、消費クレジットも他のモデルに比べると少ないため、短時間で多くの映像を生成することが可能です。そのため、高品質さをある程度維持しながら、自分のアイデアを大量に生成していきたい人や、プロジェクトとして多くの動画を生成させる必要がある場合などには、Turboモデルを使うとよいかと思います。
モデル名 | 特徴・利点 | 利用シーン |
---|---|---|
Pika2.1 | ・1080pの高解像度出力と精細なディテール ・高度なカメラワーク(ドリー、クレーン、オービットなど) ・自然な動きとリアルな表情再現 | 映画予告編、CM、プロフェッショナルな動画制作など、シネマティックな表現が求められるプロジェクト |
Pika2.0 | ・高品質な映像生成の安定性 ・優れたプロンプト処理能力 ・最新機能はPika 2.1に一部劣る点もある | 高品質な映像制作が可能だが、極限の演出が必須でないプロジェクトに適した選択 |
Pika1.5 | ・PikaEffects(溶解、膨張、圧縮、ケーキ化など)の豊富な表現 ・実験的かつ遊び心のある映像表現が可能 | 芸術的なプロジェクト、SNS向けの独創的コンテンツ、実験的な映像表現など、従来の枠にとらわれない表現を追求する場合 |
Pika Turbo | ・高速かつ低コストでの生成が可能 ・効率的な動画生成により大量生産や迅速なプロトタイピングに最適 | アイデアの迅速な試作、大量動画生成、低予算プロジェクトに適しており、スピード重視の作業環境に最適 |
Pikadditions機能とは
Pikadditionsは、ユーザーがアップロードした映像に対して、任意の画像やオブジェクトを自然に統合することが可能なツールです。たとえば、自分自身を生成動画二挿入するなど、従来ではできなかった映像表現が可能となり、さらにはAIが元の映像のライティング矢掛、動きなどを解析して、新たに追加する要素との調和を自動的に調整するため、違和感のない一体化した映像を作成することができます。
実際に私が作成してみた映像がこちらです。
背景の映像は私が撮影した外の映像で、動いているキャラクターはPikaのテンプレートから選択したキャラクターです。
背景の映像の地面などをAIが自動的に読み取って処理し、キャラクターが違和感のない位置に合成されていることがわかります。
この機能は無料プランでも利用することができるので、気になる方はぜひ一度使ってみてください。
この機能を使えば、専門知識がなくても自分が撮影した素材に何かしらを合成することが簡単にできますし、動画生成AI特有の質感があるキャラクターやオブジェクトを実際の映像と組み合わせることができるので、非常に多彩な映像作品を作り出すことができてしまいます。
この機能は背景に使いたい映像と合成したい画像を選択したうえで、プロンプトを入力するのですが、私の場合とりあえずデフォルトで入力されていたプロンプトを使用しました。
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デフォルトのプロンプトには「これを私のビデオに追加してください。元のビデオの現在のアクションに基づいて、ビデオにオブジェクトをフィットさせるための自然で魅力的な方法を考えてください。」と書かれてあります。これをこのまま使ってもよいのですが、自分なりにプロンプトを入れてみることでよりオリジナリティや理想の合成が得られます。
例えば人間が写っている場合、「キャラクターが人間の横に立って見つめている」とか「手を握ろうとしてくる」とかの指示を与えることで、そのように処理しようとしてくれます。