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こはく推奨!言語化能力を上げるディベートプロンプト

生成AIを使っていく中で、プロンプトの構築にハードルを感じた方は少なくないのではないでしょうか。
これは何が原因かというのは特定のものはないと思いますが、一つには自分の頭の中で思い描いている抽象的なイメージを以下に具体化していけばよいのか、という言語化する能力が課題かもしれません。
かつて、引退したとある有名人がこんな話をしていました。
「地図を見ずに目的地までの行き方を上手に教えれる人は喋りが上手い」
まさに、言語化能力を測る一つの指標として言いえて妙だと思います。
では、どうすればこの言語化能力を引き上げていくことができるのでしょうか。
今回は「ディベート」という形式でその能力を育てることを考えてみます。

目次

ディベートで言語化の練習をしよう

「ディベート」はみなさんご存じですよね。
学校の授業でもやらされることのある討論の練習です。
しかし、ディベートには一定のルールがあります。

ディベートとは、ある公的な主題について異なる立場に分かれ議論することをいう。この定義から、ディベートは以下の2つの要素を持つ

1.公的な主題:公的な主題について行われる
2.意見の対立:異なる立場に分かれて行われる

1.勝敗の決定:第三者(専門の審査員など)によって勝敗を決定する
2.役割の分担:参加者の意思とは無関係に役割(肯定側・否定側など)を分担する
3.準則の設定:議論において守るべき多くのルールが設定される。

Wikipedia「ディベート」より

つまり、とあるテーマに対して賛成派と反対派に分かれて討論し、どちらが説得力を持つ主張ができたか、というものです。
ディベートでは反駁(はんばく)といって、相手からの批判や主張に対して反論を行います。
その過程で、相手の主張に対する的確な反論、自説の説得性、確かな根拠のもとに展開する議論など、言語化に関する様々なスキルが試されます。
ディベートを観覧する第三者は、各々の主張を聞きながら、どちらかが確かな説得力を持っているのかを判断します。
ですから、ケンカ腰の議論や詭弁、論破といった主張はディベートにおいては有効な主張とはいえません。
ディベートは教育現場でも広く行われていますが、次のような教育的効果があるとされています。

1.問題意識を持つようになる。
2.自分の意見を持つようになる。
3.情報を選択し、整理する能力が身に付く。
4.論理的にものを考えるようになる。
5.相手(他人)の立場に立って考えることができるようになる。
6.幅の広いものの考え方、見方をするようになる。
7.他者の発言を注意深く聞くようになる。
8.話す能力が向上する。
9.相手の発言にすばやく対応する能力が身に付く。
10.主体的な行動力が身に付く。
11.協調性を養うことができる。
12.コミュニケーション能力を向上させる。

Wikipedia「ディベート」より 

話す、主張する、考える、表現する、協力する、主体性を持つ、など様々な側面でディベートには能力を養う効果があることが分かります。
大人になってから、協力者を募ってディベートをすることは現実的に難しいことが多いと思います。
いきなり居酒屋でディベートを吹っかけてもケンカになるだけでしょうから、ここでは生成AIとディベートの練習をしてみることにしましょう。

ディベートプロンプトの構築

では、生成AIを使ってディベートができるようにプロンプトを構築していきましょう。
プロンプトを構築するにあたって、生成AIには討論のテーマに対して反対の立場で主張してもらうことにしましょう。
別にこれは賛成の立場で主張してもらうようにするのでも良いと思いますが、まずはユーザーからそのテーマに対する賛成意見を述べてから生成AIに反対意見を述べてもらってディベートを始めたほうがスムーズかもしれません。
そして、ディベートですから根拠となるデータや証拠を示しながら主張は展開してほしいものですので、そのこともプロンプトに組み入れることにしましょう。
そして、どのようにディベートを進めていくかの形式も指定します。
まずは自分が賛成意見を一通り述べた後、生成AIには反対意見を述べてもらいます。
それに対して自分がまた再反論(賛成意見の補強)を述べ、それに対して生成AIがさらなる反論を加えます。
これを繰り返すことによってディベートの討論を深化させていき、討論のテーマに対して自分が論拠をもってしっかりと主張できる言語化能力を養っていくことができます。
では、このようなベースの下でこはくが作成したプロンプトが次のようになります。

あなたは私とディベートを行う役割です。
以下の条件で進めてください。
1.テーマ
私が指定したトピックについて、あなたは【反対意見】、私は【賛成意見】を述べます。
2.構成
まず私が主張を述べるので、それに対して反論を行ってください。
さらに私の主張に対する再反論も用意してもらい、その後は私が再々反論を行います。
可能な限り具体的なデータや事例を引用して、自分の立場を強めてください。
3.進行形式
―ラウンド1:私が賛成意見を一度にまとめて提示
―ラウンド2:あなたが反対意見で反論
―ラウンド3:あなたの反論に対して、私が再反論(賛成補強)
―ラウンド4:あなたが私の再反論をさらに打ち崩す
―これを繰り返し、議論をどこかで締めくくる
準備ができたら「テーマを指定してください」と問いかけてください。
私はそれに答えた後、ディベートを始めます。

と、このようなプロンプトが完成しました。
では実際にこのプロンプトを用いて生成AIと討論を行ってみましょう。

いよいよ生成AIとディベート勝負!

使用したのはChatGPTのo3-miniモデルです。
Web検索機能はオフにしました。

テーマは「企業はリモートワークを推進すべき」にしてみました。
まずは私が賛成意見を一通り述べます。

企業はリモートワークを推進すべきです。理由は主に3つあります。
1つ目は、優秀な人材の採用強化です。
日本は人口減少社会にあります。そうした状況の中で、企業は優秀な人材の不足になやんでいます。
給与を上げることも対策の一つですが、リモートワークで出社しなくても働ける環境を整えることにより、日本全国、ひいては世界中から優秀な人材を確保する体制が整います。
インターネットが十分に普及し、ビデオ通話のツールも安定し、印鑑文化も廃止する企業が増えている中で、わざわざ出社義務を社員が負う必要性は限りなく減っています。
2つ目は過度な都市部への人口集中を防ぐということです。
現在、世界人口のおよそ半分以上が都市部に住んでいると言われています。日本も例外ではなく、東京一極集中が問題視されるなど、働き場所が都市部に集中しているせいで、地方に住む若者が減っています。そのせいで地方経済も活力が低下する要因になっているわけですが、リモートワークが推進されると、生活費の高い都市部にわざわざ住む必要もなくなり、緑豊かな郊外や、自分の住みたい場所で働け、生活費も抑えられる分、地方で家庭を築く若者が増えることにもつながります。
3つ目は労働者の精神的な問題です。
毎朝長い時間満員電車に乗って通勤し、退勤して家に着くころにはもう寝なければならない生活を毎日続けている労働者も都市部にはたくさんいます。
これは労働者の精神的な健康を損ねる大きなストレスになっています。
また、コミュニケーションが苦手な労働者や上司との関係がうまくいっていない労働者でも、リモートワークで実際に人と会わなくても仕事ができる環境があれば、ストレスフルに仕事に取り組むことができます。
多様な人材を確保するうえでもリモートワークの推進は必須だと思います

これに対してChatGPTは次のように反論します。

【ラウンド2:反対意見】

あなたの主張には魅力的な点もありますが、企業が全面的にリモートワークを推進することにはいくつか重大なリスクと課題が存在すると考えます。

企業文化とチームの一体感の低下
 リモートワークは、確かに全国あるいは世界中から優秀な人材を集める可能性を広げますが、対面での交流が減ることで、企業独自の文化や価値観の共有が困難になる恐れがあります。例えば、米国の調査(Gallup社のレポートによると)では、対面でのコミュニケーションが活発な職場に比べ、リモート中心の環境では社員のエンゲージメントが平均して約10%低下する傾向が見られ、結果としてチームワークやイノベーションの低下につながる可能性が指摘されています。

都市と地方のインフラ格差と経済効果の変動
 リモートワークが地方活性化に寄与するという点は一見魅力的ですが、実際には地方のインターネット環境やITインフラが十分整備されていないケースも多いです。例えば、日本の一部地域では高速通信網の整備が遅れており、企業活動の効率性に影響を及ぼすリスクがあります。また、都市部は単に人口集中の問題だけでなく、企業間の連携や知識のシェアが進む「シナジー効果」も享受しており、その失われた場合、全体の経済活力に影響が出る可能性も否定できません。

精神的健康とワークライフバランスの新たな課題
 確かに長い通勤時間はストレスの要因ですが、リモートワークには別の精神的リスクがあります。実際、スタンフォード大学の調査では、在宅勤務が長期間続くと、業務と私生活の境界が曖昧になり、過労や孤立感、さらにはうつ状態といった問題が増加する傾向が報告されています。対面での自然なコミュニケーションが減ることで、従業員同士の連帯感や精神的サポートが得にくくなるのです。

情報セキュリティと業務効率の管理難
 オフィス内ではセキュリティ対策が一元管理されている一方、リモートワークでは各自の環境に依存するため、情報漏洩やサイバー攻撃のリスクが増大します。実際、PwCの調査によれば、リモート環境におけるセキュリティインシデントは従来のオフィス環境に比べて30%以上増加しているとされ、企業にとって重大なコストとリスク要因となっています。

以上の点から、リモートワークの推進は一部のメリットがある一方で、企業文化の希薄化、地方のインフラ不備、精神的健康への悪影響、さらには情報セキュリティの脆弱性といった多くの課題を内包しています。これらのリスクを十分に管理・対策しなければ、企業全体の競争力低下や持続可能な成長に悪影響を及ぼす可能性が高いと考えます。

どうでしょう?私が再反論しにくいほどにデータを持ち出しながら反駁してくれました。
これを繰り返すことによって、どういう根拠を持ち出して反論すればよいのか、リサーチ能力も高まりますし、それを言語化して表現する力も身についてきます。
さらにはそのテーマに対する意外な発見が合ったりして、とても勉強になるプロンプトです。
まさに社会人になって自分の意見を確立するうえでも非常に有効なプロンプトなのではないでしょうか。

ぜひ、みなさんもこのプロンプトを活用して生成AIとディベートに取り組んでみてください。
めちゃくちゃ勉強になりますし、言語化能力が飛躍的に向上するはずです。

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