イーロン・マスク率いるxAI社が開発をしている「Grok」がIOSアプリを出した先日、アンドロイド版も近日公開予定なのはご存じですか?
IOSアプリとアンドロイド版で違いがあるのかは不明だが、Grokがスマホでより便利に使えるのは間違いないことです。
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ご覧のように「近日公開予定」となっていることが分かりますよね。
Grokは2024年12月にXの無料プランユーザーにも一部解放され、「私のXアカウントを画像で表現してください」などの投稿が流行りました。
プレミアムプラン以上でより幅広く使えるGrokですが、いったいどのようなことができるのか、改めて見てみましょう。
Grokでできること
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GrokはX以外でも使用できます。Xのアプリを入れていれば使えるのはもちろん、今回言及するGrokアプリでも利用できます。また、Webバージョンも近日公開ということで、PC上からでも気軽に利用できるのが特徴です。
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できることその1:画像を生成できる
Grokでは画像も生成できるのですが、かなりリアルな画像も生成できるのが特徴で、さらに言えば他の画像生成ツールではなかなか難しい存命中の著名人の画像までも生成できてしまいます。
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トランプ大統領はもちろん、日本の総理大臣も生成できます。
また、このようなリアル画像以外にもアニメや漫画のような画像も生成可能。
結構幅広い画風スタイルを適用できるので、リアル生成が苦手なDALL-E3の一部代替としても使いやすいかと思います。
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できることその2:文章を生成する
生成AIとしては当たり前の機能ですが、Grokでも割と良い感じで文章を生成してくれますし、アイデアなんかも提案してくれます。
例えば、「Grokの活用方法をタスクごとにロードマップで提示してください。」とプロンプトを与えてみました。
出力された回答は次のような感じになりました。
以下に、Grokの活用方法をタスクごとに段階的に示すロードマップを作成しました。
ロードマップ:Grokの活用
フェーズ1: 基本的な使用
- タスク1: 質問への回答
- 目的: 日常的な質問や知識を得るための基本的な使用方法を学ぶ。
- アクション:
- 一般的な知識に関する質問を投げかけ、Grokの回答を見る。
- 例: 「光の速度は何ですか?」や「日本の首都はどこですか?」といった基本的な質問。
- タスク2: 情報の検索
- 目的: 特定のトピックについて詳細な情報を得る。
- アクション:
- 特定のテーマについて深く探求するための質問をする。
- 例: 「人間の脳の構造について教えてください」や「太陽系の惑星について詳しく」。
フェーズ2: 応用的な使用
- タスク3: プロジェクト支援
- 目的: 研究やプロジェクトでGrokを活用し、効率を上げる。
- アクション:
- 研究やプロジェクトに関する質問をし、Grokにアイデアやリソースを提供させる。
- 例: 「エコフレンドリーな建築材料についての最新の研究を教えて」。
- タスク4: クリエイティブなタスク
- 目的: 創造的なプロセスをサポートする。
- アクション:
- ストーリー作りやデザインのアイデアを生成するためにGrokを利用。
- 例: 「SF小説のプロットを考えて」や「新しいキャラクターのデザインを提案して」。
フェーズ3: 高度な活用
- タスク5: 技術的問題解決
- 目的: コーディングや技術的な問題解決にGrokを役立てる。
- アクション:
- 特定のプログラミング言語に関する質問をし、コード例や問題解決のヒントを得る。
- 例: 「Pythonでリストの操作方法を教えて」。
- タスク6: 批判的思考の促進
- 目的: 複雑な問題に対する新しい視点や解決策を得る。
- アクション:
- 政治や社会問題についての複雑な質問を投げかけ、バランスの取れた視点を提供させる。
- 例: 「AIが社会に与える影響についての異なる見方を教えて」。
フェーズ4: 専門領域への深掘り
- タスク7: 専門知識の習得
- 目的: 特定の専門分野の知識を深める。
- アクション:
- 専門的なトピックについて詳細に探求。
- 例: 「量子コンピューターの現状と未来について深く教えて」。
- タスク8: 言語学習
- 目的: 外国語学習を支援する。
- アクション:
- 言語学習のための質問をし、文化的背景や日常会話の例を学ぶ。
- 例: 「日本語で旅行中に使えるフレーズを教えて」。
このロードマップに従って、Grokを段階的に活用することで、ユーザーは日常的な質問から専門的な探求まで幅広くAIを利用することができます。
あるいは小説を書かせてみるのも面白いかもしれません。
「最近の石破総理の気持ちを400字の短編小説にまとめてみてください。世論を受けて石破総理の心情を的確に表現してみてください」とプロンプトを打ってみました。
石破茂は、夜の静けさに包まれた官邸の部屋で、机に肘をつき、深いため息をついた。彼は首相の座に就いてから、日々の報道やネットの声に心を削られていた。新聞に目を通せば、誰も彼の努力を称えてはくれない。ネット上では、批判の嵐が吹き荒れ、彼の心はいつしか荒野と化していた。
「普通の閣僚の何倍もしんどい」と、自分に言い聞かせるように呟く。休む間もなく、政策を練り、会見に臨む日々。寝る時間も削られ、疲労は積もりに積もる。それでも、彼はこの国を変えたいという情熱を捨てられない。だが、世論の冷たい視線は、彼の心に深い傷を刻んでいく。
窓の外を見つめながら、石破は思う。自分が求めているのは国民の理解と共感だと。ただ、現実にはそれがどれほど遠いものかを痛感するだけだ。「信頼回復の道は険しい」と自戒しつつも、彼の心はいつしか孤独と疲弊に満たされていた。
まさに今の世論を反映させたかのような短編小説ができあがりました。
Grokの便利なところは何かというと、Xでのリアルタイム情報を出力に反映させることができるというところにあります。次のセクションでも述べますが、このあたりが他の生成AIには勝てないポイントなのかなと思います。しかも割とユーモアがあって、ブラックジョークなんかも出してくれます。
・・・彼の外交政策は最高のブラックジョークだ。「友達国は少ない方が、裏切られることが少ないから、孤立こそが信頼の証」と胸を張る。国際社会で孤立することで、逆に理解されなくても平気な精神力が鍛えられるんだとさ。
だから、石破首相の政策は、みんなが「笑って泣ける」日常を約束してくれる。ブラックジョークの王様、石破茂様に乾杯!
できることその3:Xからリアルタイム情報を取得する
「今日のニュースで一番ホットなものは何? 関西弁で教えて」
今日のニュースで一番ホットなもんやったらな、
最強寒波襲来やで。関西市街地でも積雪の可能性あって、ピークはいつか、どない対策したらええかって話題になってるんや。
あと、道路陥没事故も大きなニュースや。速報中継もあって、救出再開のタイミングとか、日本の地下空間事情についても話題になってるんやで。
これらが今日のホットなニュースやな!
内容は合ってますよね。
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リアルタイム情報を取得しているから、こういうやりとりも可能です。
最新トレンドが生成AIを通じて分かるのが良いですよね。
苦手なこと
Grokで今使える最新モデルは「Grok2」というものなのですが、推論モデルではないので計算タスクなどにはChatGPTのo1モデルなどには性能が劣るイメージがあります。
Grokアプリの紹介では、「勉強にも使えるよ」ということなのですが、筆者のほうで大学数学の比較的簡単な確率の問題をだしてみたところ、解答を間違えたり、推論の仕方を間違えてしまったりしていたので、勉強分野ではがっつり使わないほうが良いかと思います。
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前バージョンであるGrok‑1.5と比較して、Grok‑2はMATHというベンチマークで大幅な性能向上を示しており、特に数学問題への対応力においてはGPT‑4 TurboやGPT‑4oと同程度またはそれ以上のスコアを記録しているものの、やはりGPT-o1モデルなどにはかなわない状況。
最近の推論モデルブームを鑑みれば、あと一歩という性能ではあります。
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とはいえ、他のモデルには無い差別化要素(Xのリアルタイム情報の取得・リアルな著名人の画像生成・ユーモアな回答ができる柔軟性)などが強みとして際立っているため、使い分けがしやすい生成AIモデルであるといえます。
とくに、エンタメ要素も強いXの投稿文化においては、Grokの強みが発揮されやすく、PCをあまり使わないスマホユーザーにとってはGrokのアプリ化というのは嬉しいニュースであることには間違いありません。